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江戸時代の活気が現代によみがえる『第43回 大江戸活粋(かっき)パレード 日本橋・京橋まつり』

2015.11.24 イベント情報

江戸時代のにぎわいを現代に

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江戸から全国へとつながる五街道の起点『日本橋』は、かつて江戸の玄関口として重要な役割を果たした場所。日本各地の文化や伝統が集まり、融合する地でもあったことから、やがて江戸の経済・文化の中心地となり、今では日本文化を発信する国際都市へと発展しました。そして、そこから京に向かう最初の橋があった『京橋』もまた、多くの職人が暮らし、青物市場が栄え、江戸歌舞伎が旗揚げされるなど、江戸の庶民の生活を支えた町として活況を呈していました。

そんな日本の中心地でかつての江戸時代の活気を感じられるのが、年に一度、10月に開催される『日本橋・京橋まつり』です。『日本橋・京橋まつり』は、昭和47年に街路灯などの国道完成記念として鼓笛隊・ぬいぐるみ・大名行列などのパレードが行われたのが始まり。このパレードが好評だったため、翌年の昭和48年には、第一回『日本橋・京橋まつり』が行われ、今年で43回目を迎えました。

太鼓の音がお腹に響く迫力のパレード

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この祭りの大きなみどころは、中央通りで繰り広げられる『大江戸活粋(かっき)パレード』です。京橋三丁目をスタートし、日本橋室町三丁目までの約2kmを地元団体、官公署団体、各都道府県の団体2,000人余りが踊りや歌、神輿とともに行進します。沿道には、子どもから年配の方まで見物客があふれ、なかには着物・浴衣姿の方やカメラを構えた外国人観光客、休日出勤と思われるスーツ姿の方もチラホラ。観光地としての進化を遂げる一方、日本屈指のオフィス街である京橋・日本橋エリアのユニークな一面も垣間見える光景です。

パレードでは、阿波踊りや南京玉すだれ、エイサーをはじめとする各団体の一糸乱れぬ迫力ある踊りが繰り広げられ、見る人々を圧倒。参加者のかけ声や太鼓の音がお腹に響き、中央通りが祭りならではの雰囲気に包まれます。参加者が沿道のすぐそばまで来て笑いかけてくれたり、盛り上げてくれたりするので、見物客にも一体感が生まれるのではないでしょうか。ガードレールのない中央通りを、パレードの進行方向に合わせて歩いていると、まるで自分も参加しているかのような気分に浸れます。

また周りを見渡しながら中央通りを歩いてみると、路地裏に見える飲食店や、手入れが行き届いたマリーゴールドの花壇など、小さな発見を楽しむことも出来ました。

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「今年から、パレードの団体が通過した後も4カ所で全国のお祭りが楽しめる“諸国往来定点演舞”を取り入れました。これがとても好評で、『去年のお祭りよりもさらに良かった』という嬉しい声を多数いただきました。」と実行委員会の方は言います。『諸国往来定点演舞』は場所の移動を伴わないので、ひとつの演舞をじっくりと見たい方にとって満足度が高かったのではないでしょうか。

江戸時代の食文化を支えた町を再現

パレード終点の日本橋手前には、江戸の玄関口を思わせる全国各地の名産品店「諸国往来市」が軒を連ね、賑わいを見せます。伊勢うどんや米沢牛メンチカツなどの人気のご当地グルメ店の前には長い行列ができ、「これを食べるために来た」という声も。

また、スタート地点・京橋で開催の『大江戸活粋(かっき)広場』では、江戸時代から庶民の生活を支え、食文化を育んできた“江戸東京野菜”の文化に触れる『せり体験コーナー』が開設されており、大きな声が響き渡ります。2回おこなわれた野菜の無料配布(約1,000人分)もあっという間に終了するほど大人気。併設された江戸古来の遊び・けん玉やこままわしの体験コーナーで楽しそうに遊ぶ子どもの姿も手伝い、古き良き江戸時代のワンシーンを彷彿とさせます。

祭りを振り返り、「今年は、約220名の実行委員会のメンバーが、街の警備・案内にあたりました。道行く人にチラシを配り、日本橋・京橋の魅力をアピールすることができましたし、何より無事故で終われたことに安心しました。来年も、さらに楽しんでもらえるような祭り作りに励んでいきたいと思います。」と実行委員会。来年の祭りも、さらに期待できそうです。


独特の世界観『イス-1グランプリ』にも注目が集まる

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『日本橋・京橋まつり』と同日、かつて京橋大根河岸青物市場が置かれていた場所(現高速道路下)では、『イス-1グランプリ』が開催されました。『イス-1グランプリ』とは、京都府京田辺市キララ商店街発祥の事務いすを使ってコースを何週走れるかを競う2時間耐久のユニークなレース。これまでに京都府や秋田県、岩手県、広島県などで開かれ大きな話題になりました。

『イス-1グランプリ』の運営をしている日本事務いす協会は、どんなに過酷な状況下においても決してあきらめない大人の背中を子供たちに見せる事を通じ、全国各地の青少年の健全育成と、地域経済活性化などを目的として活動しているのだそう。

実際に大会を訪れてみると、アニメのキャラクターに仮装したり、かぶりものをした出場者や、見物客には笑顔があふれ、会場はとても楽しい雰囲気。オフィス街の京橋では、なかなか目にすることが出来ない面白い光景です。事務いすにまたがり、ガラガラと大きな音を立ててコースを走る出場者も、普段は京橋エリア周辺で働くビジネスパーソンなのでしょうか。1周目から転倒したり、いすの部品が破損したり、疲れて歩道にへたり込む出場者の姿も、微笑ましく目に写るのが『イス-1グランプリ』の魅力のようです。

『イス-1グランプリ』は、今後もさまざまな地域で展開していくそうなので、興味のある方・参加してみたい方は、是非ホームページをチェックしてください。

このように京橋では、歴史ある祭りから新たな催し物まで、さまざまなイベントを開催しています。イベントを通して、かつての京橋・これからの京橋の両方を、ご自身の肌で感じてみてはいかがでしょうか。

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