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京橋の知的好奇心発信地・LIXILギャラリーの深~い世界

2016.05.10 art/culture

京橋があった付近、現在改装中の警察博物館の近くに、白い外壁とガラス使いがスタイリッシュな建物「LIXIL:GINZA」が見えてきます。1階のレセプションには、世界のセレブリティも魅了する、快適でラグジュアリーな水まわり空間などLIXILグループの旬な情報を展示。2階には「LIXILギャラリー」があり、焼き物、建築、デザインなど人々の暮らしをとりまくさまざまなテーマの興味深い展示を行っています。京橋の文化発信地のひとつともいえる、この気になる施設についてご紹介します。

LIXILは人の暮らしを支える“空間”を提供する企業
2011年に誕生したLIXILは、トステム・INAX・新日軽・サンウエーブ・TOEX(旧 東洋エクステリア)という住まいのトップブランドがひとつになった企業です。LIXILと聞くと、世界のセレブリティや有名ホテルが指名買いするほどの快適性を誇るトイレやバスタブが話題になり、ニュースで耳にした人も多いでしょう。でも、実は水まわりのみならず、建築全般(窓、外装、タイル、床など)住環境にまつわる多様なサービスや素材を提供しているのです。
その事業内容は多岐にわたり、例えば個人の住まいにかかわる建築やリフォームはもちろん、庁舎や図書館など公共施設の空間づくりまでを広くカバーする、優れた製品とサービスを展開しています。LIXILの特徴は、人の営みの基本である生活、仕事、趣味などの拠点となる“空間”を、時代に合わせ、そして10年先を見据えて研究し進化させ続けていること。これから、夫婦共働き、少子高齢化などの社会の変化は加速していきます。それに、資源や電力の不足なども考えなければならない問題です。LIXILはこれらの問題やライフスタイルに合わせて、さまざまなマテリアルや製品を発表し続けています。そう、LIXILは私たちの生活を根底から快適に支えてくれる“あらゆるモノ”を提供している企業なのです。

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ギャラリーの展示テーマは、“住まい”に軸足を置いた、あらゆること
企業としてLIXILが提供するサービスは、“空間の快適性”という、多角的で幅広いジャンルです。ここ京橋のLIXILギャラリーは、“住生活の未来”を想像し、感性を磨くことができる、住生活・デザイン・建築・アート・やきものを紹介しています。ここに来ると、インスピレーションが湧くという人も多いというのも納得です。
「企画テーマを決める上で大切にしているのは、生活文化の多様な豊かさを、今に生かしていくこと。新たな発見があるテーマを選んでいます。」(筧天留さん)

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取材当日は、70歳を超えて精力的に作品を発表し続けている小池頌子さんの展示。画家ヨハネス・フェルメールの作品『真珠の耳飾りの少女』のターバンの青色にインスピレーションを得たという色彩が見事でした。「日本でも古くから日常的に使われてきたものなど、私たちの生活に深くかかわっている、やきものの展示にも力を入れています。作陶家のみずみずしい感性と、真摯な姿勢を感じ、ドキドキするはずですよ。」(大橋恵美さん)他にも『薬草の博物誌 -森野旧薬園と江戸の植物図譜-展』では、江戸時代初期に森野藤助によって描かれた精緻な植物図を展示。森野旧薬園の現在の様子と比較できる点も見どころのひとつなのだとか。「LIXILギャラリーは大阪市北区でも運営されています。今度京橋にもやってくる『文字の博覧会 -旅して集めた“みんぱく”中西コレクション-展』は、さまざまな“書体”を収集した、文字ハンター・中西亮氏の膨大なコレクションから厳選していますので、文字そのものの個性に魅了されるはずですよ。(3月4日現在)」(筧天留さん)お散歩がてらLIXILギャラリーに行ってみれば、身の回りの“知らなかったこと”にきっと出会える……そんな期待を胸に、京橋散策を楽しんでみてください。

誰かの書斎に迷い込んだかのような、居心地のよさが魅力のブックギャラリー

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LIXILギャラリーに併設しているのは、居心地のいい書店「LIXILブックギャラリー」。程よい広さの店内に建築、インテリア、植物などのマニアックな本がズラリ。まるで、誰かの書斎に迷い込んでしまったかのように、落ちついた照明と、知的で優しい雰囲気が魅力のブックショップです。ここで主に取り扱っている本は建築・インテリア・デザインを中心に、芸術、織物、やきもの、生物、民俗学など、じっくりと読みたくなるものばかり。
「“暮らし”をテーマに様々な本を扱っていますが、時代の変化を読みながら、新刊も置いているんですよ。今は、ミニマムに暮らすことが注目されていますので、関連書籍も豊富に揃えています。とはいえ、建築関連の本が人気だと感じます。このブックギャラリーのロングセラーは、世界的に有名な建築家である、ル・コルビュジエの『小さな家』。もう絶版になってしまっているようですが、まだ在庫がありますので販売をしています。そうそう、LIXILには出版部門もあり、建築や展覧会の図録本を出しています、これらの本が揃っているのは、このギャラリーならでは。ぜひお立ち寄りください。」(太宰さん)
私たちは、ノイズとも言えるような情報のシャワーを浴び続けています。だからこそ生きていく上での基本である“暮らし”にまつわる良書を揃えるLIXILブックギャラリーに足を踏み入れると、ホッと落ちくのかもしれません。

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INFORMATION

名称 LIXILギャラリー(2F)
LIXILブックギャラリー(1F)
住所
電話番号 03-5250-6530
営業時間 10:00~18:00
定休日 水曜日、年末年始、夏季休暇
カード -
Webサイト http://www1.lixil.co.jp/gallery/

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