グルメ
国民的女優も愛した、140年以上続く老舗の和菓子「桃六(ももろく)」
2016.03.23 cafe/sweets
京橋には老舗が多い。その中でも、国民的女優、近隣のビジネスパーソン、地元の方や子供達にまで愛されているお店の代表のひとつが、和菓子店の桃六です。店名の由来は、創業者である林六兵衛氏の名前だそうで、現在で5代目の林登美雄さんがその味を守り続けています。創業はなんと明治2年(1872年)までさかのぼります。つまり、140年以上も京橋の地に根差し、京橋の人々に愛され続けるお店として続いています。
さて、桃六のお店に入ると、ケヤキの一枚板に彫られた立派な桃太郎の看板がお出迎え。ひと目で歴史を感じるこの看板は、93年前(1923年)の関東大震災の火災から残り、約70年前(1944~45年)の東京大空襲の戦火も逃れた桃六の宝で、老舗の風格を醸し出しています。
現在の店主・林登美雄さんのお母様である、林房子さんは「昔はキレイに色がついていたのです。」とこの看板の説明をしながら、桃六に代々伝わる幟を見せてくれました。「これは創業当時のものと言われています。明治時代、京橋のこの辺りは中橋南鞘町という地名で呼ばれており、それがここに染め抜かれているのです。これも私たちの宝物です。」と語ってくれました。
多くの和菓子店が製造を自動化する中、桃六の和菓子に使われるお餅は、毎日、臼と杵で搗いており、小豆は手作業で煮ているといいます。桃六のショーケースに並ぶほとんどのものが、職人さんたちが朝早くから手がけています。
「和菓子は生き物ですから、季節の変化を感じながら、水加減などを調整し、ベストな味を引き出しています。道具も使っていますが、どれも私たちの手になじんだものばかり。最新式で30年前のものなんですよ(笑)。お団子、大福などの生和菓子は、今日つくって、今日食べるものだけを製造して販売しています。もちろん、保存料などは一切使っていませんから、安心してお召し上がりいただけます。」(林登美雄さん)だからこそ、つくれる個数に限りがあり、人気の豆大福や季節限定の苺大福は、昼過ぎには売り切れてしまうことも。
どこか粋な味わいの和菓子は多くの人を魅了。有名な歌舞伎役者さんや女優さんなどは、楽屋の差し入れや関係者への手土産に、桃六の和菓子を指名買いするとか。その代表格は、2012年に亡くなった森光子さん(享年92歳)で国民栄誉賞を受賞したとき、ずっしりしていて優しい甘さが特徴の『どら焼き』を関係者に贈ったそうです。お店にいると、お客様がきて、お団子や大福はもちろん、『どら焼き』や、アンドーナツのような桃六オリジナルの和菓子『沖の石』を買い求めていきます。
「お団子はあんも人気だけれど、お餅の風味が味わえる生じょうゆの桃太郎団子140円(税込・写真下段左端のお団子)もおいしいですよ。」と、歯切れのいい江戸弁で、房子さんはすすめてくれます。
季節感を取り入れた上生菓子は1個200円(税込・写真上段左端)、大切な人の手土産に選ぶ人も多い。贈り物から、ホッとした時間を過ごすための自宅用に、京橋にやってきたら、桃六の和菓子がおすすめ。世代を問わずに多くの人が親しめる味わいだから、きっと喜ばれるはずです。
INFORMATION
名称 | 桃六 |
---|---|
住所 | 東京都中央区京橋2-9-1 |
電話番号 | 03-3561-1746 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 日曜・祝日 |
カード | 不可 |
Webサイト | http://tabelog.com/tokyo/A1302/A130202/13037929/ |
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