街づくりニュース

山王祭レポートvol.1 京橋の熱い一日と町神輿の復活

2016.08.04 イベント情報

IMG_神輿3_680_453

「セイヤー!セイヤー!」威勢の良い声が聞こえて来たら、東京の夏の訪れ。5月の浅草の三社祭を皮切りに、都内各地で神輿を担ぐ威勢のいい声や、祭囃子を耳にするようになります。東京で行われる大きなお祭りの筆頭格といえば、2年に1回開催される山王祭で、今年はその開催年にあたります。日枝神社の氏子区域は、九段から丸の内にかけての旧麹町区のエリアと、京橋、日本橋、銀座を含む商業とビジネスの中心部にかける広大なエリアを占めます。ビジネスの中心地としての京橋のイメージとは異なる勇壮で華麗な山王祭の一部始終をレポートします。

日枝神社からひも解く、山王祭の歴史

日枝神社はビジネス、厄除け、縁結び、安産、家内安全等、様々なご利益が信じられており、多くの信仰を集めています。御祭神は、大山咋神(おおやまくひのかみ)。この神様のお名前に使われている“咋”とは“主”と同じ意味で、大山の主として、地主の神様として崇められていました。

では、なぜ日枝神社の御祭を山王祭というのでしょうか。その理由はこの大山咋神の別名が“山王”であったためです。この山王祭、江戸時代は歴代の将軍が上覧拝礼する“天下祭”として盛大に行われてきました。実際に『徳川実記』には、寛永12年(1635年)には、三代将軍・徳川家光公が城の楼上にて神幸行列を御覧になったと記載があります。以後、将軍の上覧は江戸時代を通じて恒例となり、神輿の城内渡御は106回を数えました。

時代の変化とともに、山車から町神輿へ

山王祭は幕府の“御用祭”として、公的な意味合いのあるお祭りとして大切にされ、現代まで受け継がれてきました。“江戸幕府=質実剛健”という印象がありますが、氏子による山車も盛んで、それぞれの地域が、優美かつ壮麗な飾りつけを行い、お祭りになると氏子域を巡幸したと伝えられています。その様子は『江戸風俗十二ケ月之内 六月山王祭』(日枝神社宝物殿蔵)などに残されており、当時の活気や山車の美しさを知ることができます。

しかし、山車はやがて町神輿へと変遷していきます。その背景には、関東大震災や戦争での山車の焼失に加えて、高さ4メートルを超える山車では電線が張り巡らされた東京の街を歩けないなどのインフラ面や交通の問題もあったようです。

10日間に渡る山王祭の全容紹介

IMG_55_680_453

山王祭は江戸三大祭(神田祭、深川祭)の筆頭として知られるだけでなく、京都の祇園祭、大阪の天神祭と並んで、日本三大祭の一つとしても有名ですが、実は10日間にわたって行われていることをご存知でしょうか? 下記がその主なスケジュール。表に見えるのは、華やかな神輿ですが、それ以外にも祭礼として、これだけの行事が行われているのです。

6月07日(火) 09時 末社庚申祭 末社
                  11時 八坂神社例祭 末社
6月09日(木) 20時 宵宮祭並遷霊祭 本社
6月10日(金) 07時半〜16時45分 神幸祭
                  13時10分日本橋御旅所祭
       皇居参賀 氏子各町巡行 氏子各町
6月11日(土) 13時、14時稚児行列 本社 夏越稚児祭
6月12日(日) 11時 境内茶園並狭山新茶奉納奉告祭 本社
6月13日(月) 11時 表千家家元献茶式 本社
                    18時 献灯祭    本社
6月14日(火) 18時 献灯祭    本社
6月15日(水) 11時 例祭奉幣 -皇城鎮護・都民平安祈願- 本社  
        18時 献灯祭    本社      
6月16日(木) 11時 煎茶礼道日泉流献茶式 本社          
                13時 山王嘉祥祭 本社             
6月17日(金) 10時 裏千家家元献茶式 本社

30年ぶりに復活!京橋二丁目西の町神輿お披露目

IMG_神輿4_680_453

6月9日は、30年ぶりに復活した京橋二丁目西地区の町神輿のお披露目として二丁目町内を巡幸しました。そして、2016年の大きなトピックとしては、“京橋二丁目西地区の神輿復活”と“宮入”です。京橋から赤坂の日枝神社までは約5km、道中には人手も体力も必要なので、今まで下町の神輿で宮入した町会は数えるほどしかありません。しかし、今年は、30年ぶりに京橋二丁目西地区の神輿が復活するということもあり、宮入を実施しました。
さらに、6月12日(日)の午後には山王祭のハイライトである「下町連合渡御」(したまちれんごうとぎょ)が行われ、総勢15基の神輿が中央通りを巡ります。各町会の神輿が中央通りを占拠し、神輿を上下に揺らしながら威勢の良い声を上げる様子は、勇壮で江戸の粋を現代に伝えます。その中でも日本橋の上や高島屋は一番の山場となり、大観衆で道は埋め尽くされ、各町会の神輿も気合が一層が入ります。
日枝神社の男坂を、復活したばかりの美しい神輿が威勢よく登っていく宮入、そして、下町連合渡御の様子は、「街づくりニュース山王祭」のvol.2 をご覧ください。京橋にゆかりがある人も、そうでない人も、胸が熱くなるはずです!

1_680_453

RELATED POSTS 関連記事

ARCHIVE アーカイブ

SNAP 京橋スナップ