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アートイベント体験談『東京 アート アンティーク』vol.2

2016.07.23 イベント情報

『東京 アート アンティーク』のイベントで注目を集める東京都中央区の京橋。江戸期から書画骨董を愛する好事家たちが唸るお店があったというエリアです。

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現在もアンティークやアートを愛する文化は京橋の土地に脈々と受け継がれており、終戦直後から続々と芸術関連のお店がオープンし、今では約150もの専門店が集結しています。

その質の高さを示すのが、京橋には、日本を代表する“美の巨人”たちを魅了するギャラリーが多数あること。例えば随筆家・白洲正子さん、作家・川端康成さん、洋画家・梅原龍三郎さん、日本画家・小林古径さんなど枚挙にいとまがないほどの、日本を代表する文化人たちが、京橋のギャラリーに通っていたそうです。大正・昭和期に活躍した陶芸家・北大路魯山人さんは、この地にお店を構えていたことからも、京橋の街の持つ魅力がわかります。

さて『東京 アート アンティーク』は、毎年4月中旬頃に開催されるアートイベント。ちょっと敷居が高く感じるかもしれませんが、実際に行ってみるとみなさんとてもウエルカムな雰囲気、ギャラリーはいつでも見学自由です。さまざまな美に触れることができ、たくさんの名品に出会うことで、見る眼が磨かれて、ライフスタイルも上質になるはず。

しかし150ものギャラリーがひしめいているから、どこから見て行けばいいかわからない……。そこで、『東京 アート アンティーク』イベントの運営メンバーである林田画廊の林田泰尚さんに、初心者でも入りやすいギャラリーを教えていただきました。

「まず、どのギャラリーも魅力があり、それぞれ得意分野があります。古美術、骨董、絵画、書、工芸などどんなジャンルが好きか、ご自身の好みを探りつつ、街を歩いてみてください。」(林田さん)

魯卿あん
「没後50年以上を経ても、人気と評価が高い大芸術家・北大路魯山人先生の『大雅堂藝術店』と『美食倶楽部』の跡地にあるギャラリーです。ギャラリーの中に茶室があり、雰囲気も充分。陶芸、漆芸、書画などが揃っています。」(林田さん)
入るとしんと静謐な空気で、美の巨人として知られた北大路魯山人先生の息遣いを感じるようでした。

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下井美術
「お茶道具の中でも樂茶碗の専門店です。樂焼は「一樂二萩三唐津」と呼ばれているように茶道の世界で最も好まれてきた焼き物の一つです。千利休に従って「樂焼」を創設した初代長次郎の作品も。」(林田さん)
素人目にもオーラが違うとわかる、ミュージアムピースを見られるところも魅力。

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繭山龍泉堂
「日本で人気の高い、中国明時代末の華やかな色絵磁器をテーマに展示しています。中国陶磁の華麗さに魅了されるはずですよ。」(林田さん)
華麗な色、細い筆さばきに驚くほどの美術品に出会えました。

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四季彩舎
「新進気鋭の若手アーティストの作品に出会えるギャラリーです。見ごたえある作品も多く、現存作家(現在ご存命の作家)のアート作品に出会えます。」(林田さん)
二階にあるこのギャラリーでは、手の届く範囲のアート作品が多数。おうちに飾ったらHAPPYになりそうな雰囲気にあふれていました。

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GALLERY

「現代アートシーンで評価を得ている、作家さんの展示を行っています。定期的に足を運んで、現代アートの豊かで自由な表現に触れてみてはいかがでしょうか。」(林田さん)
現存作家の作品を扱っており、手が届く範囲の作品に出会えるかもしれません。スタイリッシュな雰囲気も魅力。

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イベント期間中は、本当にどのギャラリーも入りやすく名品揃い。数百年~千年以上の歴史を重ねた陶器(中国の壺や日本の茶碗など)を間近で見学することや、若手アート作家のフレッシュな感性に刺激されました。ここで紹介しているのは、ほんの一部。京橋の街には多くのギャラリーが存在しています。まずはこれらのギャラリーを巡りつつ、お気に入りのアートを見つけるお散歩をしてみてはいかがでしょうか。

<林田画廊・林田泰尚さん、ギャラリーこちゅうきょ・伊藤潔史さん対談>
美術の街・京橋のアートの祭典『東京 アート アンティーク』 vol.1

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