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約50年ぶりに復活した「京橋盆踊り」。その舞台裏を語る!

2018.10.12 other

2018年8月31日(金)、9月1日(土)の2日間、「京橋エドグラン」京橋中央ひろばで行なわれた「京橋盆踊り2018」。2年目にして去年を大幅に上回る賑わいとなった背景について、担当者のお二人に、イベントの舞台裏について詳しく伺いました。

1_inter(左)日本土地建物株式会社 資産マネジメント第二部 副課長 木村美樹雄さん、(右)日本土地建物株式会社 資産マネジメント第二部長 藤枝雅幸さん

――京橋エリアで盆踊りが最後に行われたのは、約50年前だったと伺いました。それから復活するまで、どのような背景があったのでしょうか。
藤枝雅幸さん(以下・藤枝)「戦後の高度経済成長期で開発が進み、昔から住んでいた人が徐々に別の場所に引っ越して人手が少なくなり、気が付けば開催されなくなっていたそうです。京橋の盆踊りについての資料も残されていませんし、当時を知る人も少ないところからのスタートでした。できるだけ町会の方にお話を伺って、お知恵をいただきながら準備をすすめました」
木村美樹雄さん(以下・木村)「中央区は盆踊りが非常に熱心な区で、盆踊り大会開催に対する助成金制度があり、練習会も各地で開催されています。検討にあたって、近隣の八丁堀三丁目西町会の町会長にお話を伺い、どのように運営しているのか、行政等への届出はどのように進めればいいのか、どんな設備や機材が必要かを教えていただいたことで、盆踊り復活の計画が大きく前に進みました」
藤枝「中央区の協力を得たことも大きいです。助成金を交付いただいた他、今回の盆踊りの音源も全て中央区からお借りしました。区民の方にはおなじみの『これがお江戸の盆ダンス』という中央区オリジナルの歌は、やはり盛り上がります。私達が中心となって進めてはいますが、この盆踊りは“中央区の地元のお祭り”でもあるのです」
木村「今年の盆踊りは、京橋の5町会が主催です。それに加え、会場である京橋エドグランに入居されている会社様や、地域の企業の方々にも協賛いただきました。去年を上回る方々のご協賛をいただき、お祭りのやぐらやうちわにお名前を記させていただきました」

■地元のお祭りとして定着、ビル内で盆踊り練習会も
――1957(昭和32)年発足の「中央区民踊連盟」の皆様も参加されており、まさに地域一体型のイベントだと感じました。
藤枝「さまざまな町会の方に話を伺うなかで、詳しい方をご紹介いただき、多くの関係者の方にサポートをいただきました。中でも、中央区民踊連盟の皆さんにご参加いただいたことで、イベントがさらに盛り上がりました。50年以上にわたる活動の中で、中央区の文化を作り上げています。全く盆踊りを知らなくても、民踊連盟の皆さんと一緒に、見よう見まねで踊っていると、知らぬ間に踊れてしまうのが不思議です」
木村「京橋エドグランは竣工2年目を迎え、入居が進みここで働く人も増えてきました。さらに今年は、各町会の皆さんや京橋エリアの就業者の方々を招待し、盆踊りの練習会も行いました。普段一緒に仕事をしている人と盆踊りで踊ることで、より打ち解けて、コミュニケーションも円滑になりやすいと思います」

■外資系企業で働く人も、通りがかりの外国人も飛び入りで参加
――外国人の姿も目立っていました。
藤枝「盆踊りって不思議なもので、曲を知らなくても、音楽がかかっていて、太鼓の音が聞こえて、提灯がたくさんある楽しい風景を見ると自然に参加したくなるのです。音楽は国境や文化、世代を超えることを感じました。外資系の企業に勤める方や、通りがかりの外国人観光客が飛び入りで参加してくださいました」
木村「盆踊りは、日本の文化を解りやすく伝える手段の一つです。京橋エドグランには『中央区観光情報センター』がありますが、センターの職員の方には外国語対応や中央区の観光情報の発信など、ご協力をいただきました。観光拠点としての賑わいも生み出せたと感じています。レンタル浴衣のお貸出もしており、来年はもっと観光客の皆さんに楽しんでいただける取り組みを考えたいです」

2_inter買い出し、ヨーヨー作り、原稿書き……イベント運営に必要なことを一手に引き受けたという。

■原稿書きから買い出しまで……盆踊りの成功に奔走
――地権者の方や町会の方との連携が、盆踊りでさらに深まったようにも感じました。
藤枝「京橋で働いている人とグループ感が生まれたとの感想もいただきましたが、やはりその根底にあるのは、地元の人々と街のお祭りとして定着させていこうという気持ちです」
木村「輪投げやヨーヨーすくいなどの屋台の運営は、町会の方と一緒に行いました。ですから、設備も景品も、自分たちで揃えたのです。専門店を巡って景品を買いそろえ、ゲームの運営を現場の担当者にレクチャーし……本当に手作り感あふれるお祭りなのです」
藤枝「私も当日、何十個もヨーヨーを作りました(笑)。これは初めての経験でした。設営も、撤収も当社の社員や町会の有志の皆さんの力が大きかった。でも、なんだかんだいって、みんな楽しくやっていたよね」
木村「イベント中は楽しいのですが、終わってみるといろいろ課題が残されています。イベント運営の管理をしていた中で、MCの原稿や当日シフトなど、来年に向けての改善点が多々見つかり、すでに気持ちは来年に向かっています。(笑)」
藤枝「今年は屋台が好評すぎて、すぐに食べ物が売り切れてしまいました。来年はもっと工夫したいと私も思っています」

■人が集まり、文化と、そして賑わいが生まれていく
――この盆踊りは、「京橋エドグラン」の京橋中央ひろばがメイン会場です。
木村「京橋エドグランの開発コンセプトは、“根ざし、育ち、実を結ぶ。Like A Big Tree.”です。賑わいを生み出し、人々が交差する広場に、日本の文化の代表的な存在のひとつである盆踊りを根差し、育てていきたいと思っています。それに、単純に盆踊りって楽しいんですよ。太鼓のリズムに合わせて、日常を忘れて踊っていると、小さな悩みが吹き飛んでしまい、いい気分になります。会の終了後にはある参加者の方から「楽しかった!来年に向けて練習しようかな。」という嬉しい声もいただきました。これからも、ずっと続けていきたいと思っています」

INFORMATION

名称 京橋盆踊りインタビュー
住所

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