Kyobashi TIMES

札幌のご当地メニューであるスープカリーの名店『札幌ドミニカ』が東京に初出店を果たしたのは2006年、そこから15年経てもいまなお行列ができる人気店です。東京メトロ銀座線京橋駅から徒歩3分、有楽町駅や銀座一丁目駅からも徒歩圏内とアクセスもよく、近隣のビジネスパーソンだけでなく遠方の方も夕飯として利用する方も多いのだとか。

こちらの店は、まずベースとなるスープを4種（オリジナル・豚骨・トマト・豆乳）から一つ、続いて8種の具材（特選 チキン野菜・ハンバーグ・ポーク・特選 チキン・特選 野菜・チキン・野菜）から一つ、辛さを10段階からそれぞれ選び、ライスの量も小・普通・大盛り（＋100円）から選ぶという、完全オーダーメイド制です。

この日は、定番の「特選 チキン野菜カリー（オリジナルスープ）」、辛さは一般の中辛と同等の2辛（1,250円・税込）と、「名古屋コーチンの特選鶏団子スープカリー（豆乳スープ）」、辛さは一般の辛口の約2倍の激辛に相当する辛さの5辛（1,150円・税込）をテイクアウトしました。

まずは「特選 チキン野菜カリー（オリジナルスープ）」からいただきます。

スープカリーの要である出汁は、シェフが元板長であることから昆布と魚介をベースにしている点が特長です。さらに鶏や豚から丁寧にとった出汁に、香味野菜やハーブをブレンドしてあり、すっきりとした中に強い芯を感じる奥深いスープです。そこに数種のカレースパイスが重なったスープカリーは、キリっとした辛さの中にも和食に通ずる繊細さがあって、具沢山でも驚くほどするすると食べられます。

大きくカットされた野菜は、かぶ、ヤングコーン、ズッキーニ、オクラ、人参、かぼちゃ、玉ねぎ、茄子、じゃがいも、タケノコ、ブロッコリー、水菜のなんと12種類！　おいしくお腹を満たしながら、野菜不足も解消できるのは嬉しいですね。

野菜はどれも程よい歯ごたえを残して素揚げされています。
野菜の種類が豊富なので、それぞれの食感や味わい、香りの違いを楽しめて、食べ進めるうちに味が変化していくのもこのカレーの醍醐味ですね。

スープの中には大きな骨付きチキンが2つ底に潜んでいました。スプーンですくうと、ほろほろと骨から肉がほぐれるほど柔らかく煮込まれています。

ほんのりバターの香るターメリックライスをスプーンにとり、少しずつ浸し具材を絡めながらいただきます。

続いていただいたのは、「豆乳スープ・名古屋コーチンの特選鶏団子スープカリー」です。

名古屋コーチンの特選鶏団子は、もともと期間限定メニューだったものが人気のため継続メニューになったという経緯を店員の方から伺い、期待が高まります。
肉団子は4つ、野菜はブロッコリーや大きなカットのじゃがいも、水菜が入っています。

10段階中の5段階目でありながら、“激辛”をうたうだけあって、毛穴から汗が噴き出る辛さ！辛いもの好きな方でも満足できる辛さでしょう。それでいて、単に辛いだけではなく、軸となる出汁の旨味に、今回は豆乳スープをセレクトしたのでコクとマイルドさも加わり、まさに看板にも書かれているように「うまから」なスープカリーです。

ところで、スープカリーの由来をご存知でしょうか。1970年代に北海道札幌市の喫茶店『アジャンタ』の「薬膳カリィ」が発祥と言われています。
もともと『アジャンタ』が漢方の薬膳スープをベースに、インド・ネパールのスパイス料理を掛け合わせた「薬膳カリイ」の名前で提供をスタート。現在のようにごろごろと具材が入っていない完全なスープ状でしたが、その後客のリクエストにより鶏肉や野菜をいれるようになったのだとか。
その後、インドネシアの鶏肉のスープ料理であるソトアヤムをアレンジし、「スープカリー」の名前で売り出したのが『マジックスパイス』です。
スープカリーが全国的にブームとなったのは2000年ごろでしたが、このブームの火付け役もじつは『マジックスパイス』だと言われています。
横浜カレーミュージアムに出店したことをきっかけに全国的に注目を集めたのだそうです。いまやブームを超えカレーの一ジャンルとして日本のカレー文化に定借しているスープカリーは、ルーツが薬膳スープということもあって通常のカレーに比べ胃腸に負担が少なく、食べ終わるころには多種なスパイスの力で活力がみなぎるような心地になります。食欲がない日や体に冷えを感じる日に知っておくと便利なお店です。


今回食べたテイクアウト
特選 チキン野菜カリー(オリジナルスープ・2辛)1,250円(税込)
名古屋コーチンの特選鶏団子スープカリー（豆乳スープ・5辛）1,150円（税込）