Kyobashi TIMES

「酒処　舌菜魚」は、メトロ銀座線京橋駅4番出口・6番出口から徒歩2分、都営浅草線宝町駅からは徒歩1分という好立地にあります。何と読めば良いのかか、一瞬悩むような店名ですが、舌＝たん、菜＝さい、魚＝ぎょで、牛たんと季節の野菜と鮮魚を目玉にしていることを表しています。
こちらは店頭で販売されるお弁当も大人気のお店ですが、本日は店内でランチをいただくことにしました。

ランチメニューは、日替わりのメインが選べる「三品定食」(715円)に、「刺身定食」(920円)、「牛たん定食」(1,230円)の3種類（価格は全て税込）。どれもメインのほかに、小鉢の副菜が二品選べ、ご飯と味噌汁がお替わり無料、毎週木曜日は十六穀米、毎週金曜日は玄米の日と、魅力いっぱいです。

本日は、人気の「三品定食」と「牛たん定食」を注文することにしました。
「舌菜魚」では、ランチタイムはビュッフェスタイル。トレイを持ってカウンターで好きな総菜を選びます。「三品定食」は、カウンターにずらりと並んだ「メイン」の見本から一品、野菜たっぷりの副菜の中から二品、「牛たん定食」のメインは牛たんなので、副菜を二品選べます。
味噌汁もご飯もカウンターで受け取ります。ご飯も味噌汁もお代わり無料といううれしいサービスも。
「三品定食」で選べるメインは、「かつ煮」や「豚ごぼう」、「カレイの煮つけ」、「ハンバーグ」など、魚や肉のおかずが14種類もありました。小鉢の副菜も、煮物やお浸しなどバリエーション豊か。その日の体調や気分で選べるのが楽しいですね。

「三品定食」は、さばの味噌煮をメインに、蓮根の甘辛煮、鶏手羽肉と野菜の五目炊きを選びました。さばも蓮根もよく味が染みて、ご飯が進む味付けです。鶏肉と野菜の煮物も、鶏肉の旨味が野菜にも浸み込んで、あっさりとしながらも滋味深い味わいでした。

もうひとつの「牛たん定食」は、焼きたての牛たんに、厚焼きたまごとオクラの和え物を組み合わせてみました。ふわふわの厚焼き卵は、毎朝養鶏場から直送される「煌黄(きらめき)」という黄身が濃厚な卵を使っているとあり、卵とだしの味がぎゅっと凝縮されています。メインの牛たんは、熟成された肉を、炭火で焼いたこだわりの品です。ほどよい厚みで弾力があり、食べ応えバツグン。この価格でこのボリュームの牛たん定食がいただけるとは、何とも嬉しいですね。

ところで、いろいろな部位がある牛肉の中で、なぜ「牛たん」の専門店が出来たり、仙台の名物となったりするほど、牛タンは人気なのか、疑問に思ったことはありませんか。

仙台の牛たんは、戦後、仙台の焼き鳥屋「太助」の店主佐野啓四郎氏が、日本人の好みに合う一汁三菜型で「牛たん定食」を提供したのが始まりとされています。とはいえ当初は一部の愛好家のみに人気の珍味のようなポジションにあった牛タンを、全国区に広めるきっかけとなったのは、転勤サラリーマンだと言われています。
高度経済成長期に入っていくなかで、仙台へ進出する企業も増え、いわゆる転勤族がそのおいしさに感動し、地方に広がっていったのだとか。その後、お土産や新幹線車内での弁当販売で一気に「仙台名物」へと成長し、その人気が全国に広がったという説があります。

しかも、日本はなんと牛たん消費量が世界一だというから驚きです。肉食文化のアメリカや焼肉大国の韓国ですら、牛たんを食べる習慣はあまりなく、また世界の牛たん料理といえば煮込み料理がほとんどで、塩やレモンだれであっさりいただくのは日本ならではのスタイルなのだそうです。
こちらの「舌菜魚」は、「ゆでたん」も名物だと聞きました。今度は夜にお邪魔して、いただいてみようと思います。

ランチタイムは次々にお客さんが訪れていましたが、席数は多く、ゆったりと食事が出来て居心地のよいお店でした。来店した日は男性客が中心でしたが、バリエーション豊富な総菜の中からチョイスする楽しみは、女性も気に入ることでしょう。丁寧に作られた、豊富な種類の総菜から、あなたのお気に入りを見つけてくださいね。

今回食べたランチ
三品定食　　　850円（税込）
牛たん定食　　 1,230円（税込）